絵コンテのセリフ・ナレーションの書き方|音と文字も解説
絵コンテのセリフ・ナレーションの書き方の基本
絵コンテのセリフ・ナレーションの書き方には、実は決まった「型」があります。絵の上手さより、誰の言葉なのか・いつ流れるのかが一目で伝わるかどうかが命です。ここを外すと、絵は綺麗でも撮影や編集の現場で「この声、誰?」と手が止まってしまいます。
多くのフォーマットでは、コマ(画)の右側にセリフ・ナレーション・音の指示をまとめて書く欄があります。画は左、言葉と音は右。この住み分けを守るだけで、コンテは一気に読みやすくなります。
書く順番も大切です。慣れた人ほど、先にセリフとナレーションを置いて尺を掴み、それからカット割りと画を決めます。言葉が映像の骨格になるからです。絵コンテそのものの流れを固めたい人は、先に絵コンテの作り方で全体像を押さえておくとスムーズです。
セリフの記入方法:誰の言葉かを一目で
セリフの記入方法はシンプルです。話す人の名前+カギカッコで書きます。たとえば「ユキ『行こう、もう時間がない』」のように、名前を頭に置いてから「」でセリフをくくります。
この「名前+カギカッコ」を徹底するだけで、複数人の会話シーンでも取り違えが起きません。逆に名前を省くと、アフレコや吹き替えの現場で必ず混乱します。
心の中の声は区別して書きます。声に出さないモノローグは頭に M を付け、「M『本当はわかっていた』」のように表記するのが一般的です。ナレーションやセリフと混ざらないよう、記号で線を引いておくイメージです。
記入のコツをまとめると、こうなります。
- 話者名を必ず頭に書き、セリフは「」でくくる
- 心の声はモノローグ(M)として分ける
- 長ゼリフは複数コマにまたがるよう区切って書く
- 言い回しは「話し言葉」で、読点や間(…)まで意識する
カメラワークの矢印など他の指示と混ざりがちなので、記号の使い分けに迷ったら絵コンテの記号一覧で整理しておくと安心です。
ナレーションの表記:地の語りをN「」で分ける
ナレーションの表記は、画面の外から状況を語る「地の声」を示すルールです。頭に N を付けて「N『そして、街は眠りについた』」のように書きます。二回目以降は N だけで通しても構いませんし、フォーマットによっては「Na:」と略す流儀もあります。
大事なのは、チーム内で表記を統一することです。あるコマは「ナレーション」、別のコマは「N」とバラつくと、それだけで読み手の負荷が上がります。最初のコマで凡例を決め、以降は同じ記号で通しましょう。
セリフとナレーションは、役割がまったく違います。セリフは登場人物が画面内で発する言葉、ナレーションは画面の外から作品全体に語りかける言葉です。だから N の一文字で線引きしておくと、演者とナレーターの収録を分けて考えられます。
ナレーション原稿を実際の音声にする段階では、読みのテンポや尺の感覚が効いてきます。声のイメージを早めに掴みたい人は、AI動画にナレーションを付ける方法で読み上げを試しておくと、コンテの言葉が「聞いてしっくりくるか」を先に確かめられます。
効果音(SE)と音楽(BGM)の書き方
絵コンテの音・効果音の書き方も、記号でシンプルに管理します。効果音は SE(Sound Effect)と略し、「SE:ドアが軋む音」「SE『ガタッ』」のように、鳴らしたい音を具体的に書きます。擬音だけでなく「何の音か」を言葉で添えると、音効さんへの発注がぶれません。
音楽は M や BGM と表記します。モノローグの M と紛らわしいときは「BGM」と書き切るのが安全です。「BGM:静かなピアノ、不安げに」のように、曲調や感情の方向まで書いておくと、選曲の当たりが早くなります。
音の欄で意識したいのは、次の三点です。
- SE は「いつ・どんな音を・どれくらい」まで具体的に
- BGM は曲名ではなく雰囲気(明るい/緊迫など)で伝える
- 無音の演出も「SE:無音」と明記して、意図した静けさを守る
効果音は入れる位置ひとつで印象が激変します。実際にどんな音がハマるか手を動かして確かめたいなら、AI動画に効果音を付ける方法でシーンに音を当てながら感覚を掴むのがおすすめです。効果音そのものの役割は、効果音(Wikipedia)も参考になります。
テロップ・字幕など文字情報の書き方
絵コンテの文字情報の書き方は、画面に「文字として映る」要素を指示する部分です。ナレーションやセリフが「耳に届く言葉」なのに対し、テロップ・字幕・スーパーは「目に映る言葉」。この違いを意識して欄を分けます。
表記は「テロップ:2024年 春」「スーパー:東京」のように、種類+出す文字をそのまま書きます。表示位置(画面下・中央など)や、フェードで出すか一気に出すかまで添えると、編集の迷いが消えます。
字幕やテロップは、フォントや色でも印象が変わります。コンテ段階では色指定まで詰めなくて構いませんが、「重要な一言」だけは大きく、と強弱の意図を残しておくと後工程が楽になります。文字だけで構成する簡易コンテにする手もあり、その考え方は字コンテとはで解説しています。
迷ったら、言葉を「耳の情報(セリフ・N・SE・BGM)」と「目の情報(テロップ・字幕)」の二系統に分けて考えてください。これだけで、どの欄に何を書くかがすっきり整理できます。
セリフと画をタイミングで合わせるコツ
言葉をきれいに書けても、尺と合っていなければ映像は破綻します。セリフやナレーションは声に出して読み、実測の秒数をコマの尺として書き込みましょう。「思ったより長い」がこの段階で判明すれば、削るのも巻くのも簡単です。
長いセリフは一つのコマに押し込まず、内容の区切りで複数コマに分けます。こうすると、どの言葉のときにどの画を見せるかが対応し、編集のリズムが自然になります。尺の詰め方は絵コンテの秒数の書き方で具体的に確認できます。
絵コンテという設計図そのものの歴史や役割を押さえたい場合は、絵コンテ(Wikipedia)も一読の価値があります。
セリフ・音・文字を、そのまま映像にしてみる
コンテで書いたセリフ・ナレーション・効果音は、頭の中では鳴っていても、実際に聞いてみないと「本当に合うか」はわかりません。だからこそ、書いた言葉を早い段階で音と絵に乗せて確かめる価値があります。
Scriptly なら、チャットでAIディレクターに話しかけるだけで、キャラクター設計からシーンごとの動画生成、ナレーションや音楽・字幕付きの書き出しまで進められます。絵コンテに書いたセリフやナレーションを入れて、声・キャプション付きの短い映像として耳で確認する——その往復が、コンテの精度を一気に上げてくれます。
書いた言葉が映像でどう響くか、Scriptlyで実際に試してみてください。コンテの一行が、そのまま動く一場面に変わる感覚を体験できます。
FAQ
絵コンテでセリフはどう書けばいいですか?
話す人の名前を頭に置き、続けてカギカッコでセリフをくくります(例:ユキ『行こう』)。誰の言葉かが一目で伝わり、複数人の会話でも取り違えが起きません。声に出さない心の声は頭にMを付けてモノローグとして区別します。
ナレーションはどう表記しますか?
画面の外から語る地の声は、頭にNを付けて「N『そして街は眠った』」のように書きます。二回目以降はNだけ、あるいは「Na:」と略しても構いません。大切なのはチーム内で表記を統一し、セリフと混ざらないようにすることです。
効果音(SE)や音楽(BGM)はどう書きますか?
効果音はSEと略し「SE:ドアが軋む音」のように何の音かを言葉で具体的に書きます。音楽はBGMと表記し、曲名ではなく『静かなピアノ、不安げに』のように雰囲気で伝えると選曲がスムーズです。無音も『SE:無音』と明記します。
テロップや字幕などの文字情報はどこに書きますか?
音として耳に届くセリフ・ナレーションとは分け、「テロップ:2024年 春」のように種類+表示文字で書きます。画面下・中央などの位置や出し方まで添えると編集が迷いません。耳の情報と目の情報を二系統で整理すると混乱しません。
セリフとナレーションはどちらを先に書きますか?
多くの現場では、先にセリフとナレーションを置いて尺を掴み、その後にカット割りと画を決めます。言葉が映像の骨格になるためです。声に出して読んで実測の秒数をコマに書き込むと、後の編集が格段に楽になります。
初心者でも正しい書き方を覚えられますか?
はい。名前+カギカッコ=セリフ、N=ナレーション、SE=効果音、BGM=音楽、テロップ=文字情報、という記号の対応を覚えるだけで大半はカバーできます。最初のコマで凡例を決め、以降は同じ記号で統一すれば読みやすいコンテになります。